裏庭に倉庫

ゆるーく、ひっそり、のんびりと

羅小黒戦記

映画鑑賞前にスクリーンで流れている宣伝の動画で、上映されると知ってはいた「羅小黒戦記」。11月は鑑賞したい作品がたくさんあり、鑑賞する優先順位はそこまで高くありませんでした。しかし、この作品の評判に少し触れて、これは鑑賞しないと損だなと判断。何で優先順位を高くしておかなかったんだ、と自分自身に対して憤りを感じてしまいました。せっかくなら目一杯作品を堪能したいなということで、人生二度目の4DXで作品を楽しみました。

絵柄が可愛らしくて、自分の中で勝手に日本のアニメ映画だと思っていたのですが、中国のアニメ映画だということを恥ずかしながら最近知りました。中国のアニメ映画に触れるのは初めてです。どんな感じなのかなぁと、評判で少し色々と知っていたとはいえ、ドキドキワクワクが止まりませんでした。気持ちが逸り過ぎたのか、早くに劇場内に入ってしまうという……。しばらく誰も劇場内に入って来なかったため、一人でポツンと座席に座っていました。4DXでの鑑賞ということで、荷物を全てロッカーに入れていたために何も出来ることがなかったのです。時間配分、もう少し考えれば良かったと反省。

キャラクターのデザインはシンプルで、キャラクターを構成する線や色は最小限。それでも、どのキャラクターも可愛らしいし特徴がしっかり描かれていて、食い入るように見つめてしまうほど。猫科の動物が好きなので、猫っぽいデザインの妖精を見ると、「え、何!?この可愛い妖精は!?」と一人悶えていました。主人公のシャオヘイが黒猫の姿の時の動き、まるで実家の猫を見ているようでした。恐怖心を抱いている時の耳の形を見て、そうそう猫ってこういう時そういう風に耳を伏せるんだよね、と実家の猫を思い出し恋しくなりました。

キャラクターのデザインだけではなく、背景で描かれている風景、そしてキャラクター達の動きなど、ほぅ……美しい上に素晴らしい……と感嘆。絵に関して全く無知な人間なのですが、絵の勉強になるなと思ったほど。色使いが私の好みにドンピシャというのもあり、色を見ているだけでもテンションがとんでもなく上がりました。

思わずクスッと笑ってしまったりホロリと泣いてしまったり、その落差というかシーンの切り替えが心地よく、一つのシーンでほぼ同時に様々な感情が生まれました。え、そこでそのセリフ?動き?とホロリときていたのに、感情が揺れ動いて涙が止まるという。

日本の様々な作品の影響を受けているのかな?(ジブリ作品やNARUTOなど)と思ったのですが、ただ影響を受けているだけではなさそうです。上手く言葉には出来ないのですが、この部分ってあの作品にそっくりだなという感情が少しも芽生えなかったからこそ、そう思うのかもしれません。何が言いたいのか分からないことを言っていますが、抱いた思いや考えを上手く言葉に出来ない。悔しい。いつか、中国のアニメの存在が日本にとって脅威(良い意味でも悪い意味でも)となる日が来そうです。また面白い作品に出会えるのか!と楽しみでもあり、恐ろしくもあります。

本当に鑑賞して良かったな、と思う作品でした。あれこれ語りたいけれども、最初から最後まで良かったために物語の流れを全部ここに書き出してしまいそうなので、ここはグッと我慢しておこうと思います。