裏庭に倉庫

ゆるーく、ひっそり、のんびりと

十二単衣を着た悪魔

テレビでこの作品の宣伝を見た時、チラリと映ったとある俳優さん。この俳優さんが出演するなら鑑賞しよう!と思い、いざ映画館へ。出番は、序盤らへんだけでした。とはいえ、スクリーンに映る姿を見ることが出来て良かったです。

誰に焦点をあてるかによって、すっかりと印象が変わるものですね。源氏物語の主役である光源氏は、「十二単衣を着た悪魔」ではあまり目立ちません。源氏物語で描かれている通りのことをやっているだけです。焦点をあてられているのは、弘徽殿女御。源氏物語を読んでいたときは、あまり意識をしたことのない人物です。「十二単衣を着た悪魔」の弘徽殿女御は、強い女!という感じがして好きでした。弘徽殿女御を演じた三吉さんが片方の口角を上げて笑うシーンがあったのですが、ここの表情が最高に格好良かったです。頂点に立てそう、いやもうすでに立っていてもおかしくない、と思ってしまうくらいには。

主人公の雷が、源氏物語の世界から自分の生まれ育った時代に戻ってきた後、しばらく言葉遣いや所作が平安時代に過ごした時のままなのですが、そこが妙に面白かったです。この時の劇場内、ふっと空気が和らいだような気がしました。

黒猫がちょこちょこ登場していたのですが、エンディングできちんと出演者としてクレジットがあるのを見つけ、ほっこりしました。