裏庭に倉庫

ゆるーく、ひっそり、のんびりと

空の青さを知る人よ

以前映画を鑑賞した時に、宣伝として流れていたものを見た時は、「気になるけど、でも、鑑賞はしないかもな~」と思っていた「空の青さを知る人よ」。ふと目にしたツイートで、女性の心理の描き方が良い、みたいな感じのことが書かれてあって、もしかしたら鑑賞しないと損かもしれない!と鑑賞することを決意しました。

この映画は、鑑賞する人の性別や世代によって、誰に感情移入してしまうか違ってくると思います。私は、年齢の近い同性のあかねに対して、一番感情移入してしまいました。

あおいが、自分のせいで姉のあかねが夢を諦めざるを得なかったし、縛られていると思っているようなシーンがあったけれど、あかねは全然そんな風に考えていないんじゃないかな、と。東京進学を考えていたけれど地元に残ったのは、もちろん幼かった妹であるあおいがいたからっていうのもあると思う。けれども、それはあおいのことを大切な家族として愛していたからであって、全然あおいに縛られているとか思っていないと思うんですよね。だから、あおいから思いをぶつけられた時、本当にあかねはショックだったと思います。私自身、弟から似たようなことを言われて、物凄くショックを受けてしまったことがあるので、余計にあかねに感情移入してしまって、涙がボロボロと流れてきました。周りを気にせずに、涙をボロボロ流すことが出来るのは、一人鑑賞の醍醐味ですね。

誰でも抱く感情が丁寧に描かれていて、そして、人間の感情だけではなく、景色や音に対しても丁寧に表現されていて、映画の全てが本当に素晴らしかったです。

どんな映画なのか楽しみ!とワクワクしていた時、冒頭のシーンであおいがベースを弾くのですが、あれ?どっかで聴いたことある曲だな、と頭の中でぐるぐるし始めました。それで、これガンダーラじゃね?と思ったのたと同時に、ガンダーラ……?何故?と、突然のガンダーラに少しだけ困惑してしまいました。話が進むにつれて、段々とガンダーラを受け入れることが出来ましたが、冒頭のガンダーラの衝撃は忘れられません。

感情移入したのはあかねでしたが、この映画の中で一番イケメンだなと思ったのは、ツグでした。あの子、周りの色んな大人をよく見ていて、一番大人だったのでは?あおいの恋心をいち早く気付いていたような描写があったし、緊急事態の時に冷静に対応していたし。とにかく、将来が楽しみな男の子でした。絶対に、あれはモテる。