裏庭に倉庫

ゆるーく、ひっそり、のんびりと

来る

新年早々、映画『来る』を鑑賞してきました。ホラー映画を大きい画面──劇場で鑑賞するのは、初めての経験。環境の整った場所で鑑賞するホラー映画は、とても迫力がありました。

 

映画の内容ですが、現代の日本をよく描いていたと思います。自身が女性だからか、黒木華さんが演じていたカナに感情移入してしまいました。実家へ頼ることが出来ず、子どもの問題も職場の問題も抱え込まなければならない状況に、これって本当にホラー……?と思ってしまうくらい、胸がギュッとなる映画でした。

 

妻夫木聡さんが演じたヒデキですが、ネットの世界では良いパパとして頑張っているように見えるけど、実際は良いパパとして見られるように頑張っているだけ。自分一番なことが、様々な場面で見え隠れしてイライラとしてしまい、一緒に映画を鑑賞した友人としばらくヒデキの駄目なところを語ってばかりいたのは言うまでもありません。


岡田准一さんの演じた野崎がカナに、ヒデキは家族を守ろうとする良い父親だった、みたいなことを言うのですが、この男何も分かっちゃいねーな、と野崎に対してもイライラ。カナは笑顔で何も言わずに対応していたのですが、内心イラッとしているだろうなと思っていたら、野崎の置いていった盛り塩を静かに踏みつけていました。感情のままに蹴り飛ばすわけでもなく、静かに踏み潰していく様はゾッとさせられます。この時の黒木さんの表情、本当に素晴らしかった。


映画のBGMもおどろおどろしていて良かったですし、どのキャストさんも『来る』の世界観にグッと惹き込んでくれる演技をされていて、2019年初鑑賞の映画が『来る』で良かった!


映画では描ききれなかった部分があるかと思い、帰りに本屋さんへ立ち寄って原作を探しました。しかし、見つけられませんでした。売り切れていたのか、それとも私が探しきれなかったのか。また来週、本屋さんへ再び足を運ぼうと思います。